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佃牧場

佃牧場の想いを届ける挑戦(前編) 取引先飲食店との特別な取り組みを追う

【更新日:2025年07月31日】

動画で見る:佃牧場の想いを届ける挑戦(前編)

北海道のセリ会場から始まり、牧場での肥育、取引先である「四季亭」さんとの対話まで。
一頭の馬を中心に、佃牧場と飲食店が「想い」を共有しながら進める取り組みを、8分弱の動画にまとめました。
ぜひ、映像でご覧ください。

この取り組みが始まったきっかけ

「四季亭」さんは、佃牧場と当初から取引のある飲食店です。
これまで信頼関係を築いてきた中で、今回は「一頭の馬を仕入れるところから、お客様へ提供するまでのすべてを共に経験してもらいたい」という佃牧場の想いから、この取り組みが始まりました。

その過程を楽しみながら体験することで、食材に対する理解や感じ方が深まり、日々の料理を通じて、お客様にもその背景や価値が自然と伝わっていく——
そんな想いを込めて、今回の挑戦が形になりました。

肥育から精肉までを担う佃牧場だからこそできる「想いを込めたサポート」。
その魅力を伝えるために、このドキュメンタリーを制作しました。

動画の内容ダイジェスト

馬の仕入れ(北海道)

北海道の馬市場。
初めてこの場に立った四季亭の代表「織田 文尊」さんは、慣れない雰囲気と熱気に少し戸惑いながらも、佃牧場代表「佃 裕一」のサポートのもと、馬の選定に臨みました。

多くの馬が次々と競り落とされるスピードの中で、「どの馬を選ぶか」という判断には迷いもありました。
しかし、最終的には理屈ではなく、「直感」で一頭の馬に決断。

「わからないままだったけど、佃さんを信じて直感で決めた」というオーナーの言葉には、初めての経験だからこそ感じた信頼と覚悟がにじんでいます。

肥育の日々(佃牧場)

北海道からやってきた馬は、佃牧場での肥育生活に入ります。
佃牧場では、一頭ごとの体調や性格に合わせた丁寧な管理を徹底しています。えさの食いつき、日々の体調の変化を細かく観察し、馬にとってストレスの少ない環境を整える。
その積み重ねが、肉質の良さに直結すると信じているからです。

そして何より、佃牧場の最大の特徴は「時間をかけた肥育」にあります。
一般的にはより早く出荷されることも多い中、佃牧場では約36ヶ月もの肥育期間をかけてじっくり育てます。
時間をかけることで、肉には旨味や甘味が自然と宿り、奥行きのある味わいに仕上がるのです。

この「長く育てる」という選択には、ただ美味しくするという目的だけでなく、一頭を責任をもって「商品としてきちんと仕上げる」という覚悟と使命感が込められています。

牧場訪問と共感

肥育も終盤に差し掛かる頃、四季亭の代表「織田」さんが牧場を訪れました。
仕入れた馬が、どのような環境で、どのように育てられてきたのか。
目の前でたくましくなったその馬の姿を見たとき、胸にこみ上げる想いがあったと語ります。

「単なる仕入れた馬肉ではなく、自分たちの責任で届けるものだと実感しました。」

こうした経験を経て、ただ料理を提供するのではなく、背景を知ることで味や価値に深みが生まれる。
まさに「共に育てて届けるパートナー」としての関係が育まれていました。

佃牧場の願い

「ただの仕入れ先」では終わらない。
佃牧場が目指しているのは、取引先とともに「料理の価値」を創り出すこと。
肥育から精肉までを一貫して行い、要望に応じたカットや処理を施すのも、そんな想いからです。

「一皿の背景に、育てた時間を感じてもらえたら嬉しい」
佃代表の言葉は、佃牧場の理念そのもの。
食材の命と向き合い、それを最大限に活かしてくれる料理人たちを「支える存在」でありたいという誇りがそこにはあります。

次回予告

この取り組みは、2025年8月中旬ごろのお客様へのご提供に向けて現在も進行中です。

次回(後編)では、この馬が精肉され、特別な料理としてお客様に提供されるまでを追いかけます。

「一頭をまるごと味わう」イベントの全貌も、どうぞご期待ください。